詩集「銘度利加」
著者:十田撓子 写真:片岡雪子 装釘:猿山修 印刷:創栄図書印刷(株) 製本:誠製本(株) 発行:思潮社

“metrika”
poet: touko toda, photo: yukiko kataoka, book design: osamu saruyama, printing: souei-tosho printing co., ltd, bookbinding: mokoto bookbinding co., ltd, publication: shichousha

「チーズボード」
製造:小栗正彦、山一 デザイン:猿山修 制作:東屋
「チーズナイフ セミハード」
製造:成戸刃物 デザイン:猿山修 制作:東屋

AZYIoo410, AZYI00411 “cheese board”
wood works: masahiko oguri, yamaichi, design: osamu saruyama, production: azmaya
AZNA00001 “cheese board and cheese knife semi-hard”
metal works: naruto-hamono design: osamu saruyama, production: azmaya

「デスク、ベンチ、スツール」
製造:杉工場 デザイン:猿山修 制作:杉工場
「踏台、衣桁」
製造:橋渡弘幸、山一 デザイン:猿山修 制作:東屋

ss-011, 021, 031 “desk, bench, stool”
wood works: sugi-koujou, design: osamu saruyama, production: sugi-koujou
AZYI00461, AZYI00401-00401 “step stool, hanger rack”
wood works: hiroyuki hasido, yamaichi, design: osamu saruyama, production: azmaya

 

天雲「角高台椀」
製造:天雲 デザイン:猿山修 制作:天雲

TSB0131 “foot bowl” medium   series of lacquerware `tenun”
lacqure works: tenun, design: osamu saruyama, production: tenun

「猿山時計店」
製造、デザイン:猿山修 ロゴデザイン:佐藤卓デザイン事務所 制作:ギュメレイアウトスタジオ

“guillemets clock”
repair, design: osamu saruyama, logo design: tsdo, production: guillemets layout studio

カトラリーシリーズ「ryo」
製造:田三金属 監修・仕上:竹俣勇壱 デザイン:猿山修 制作:竹俣勇壱、ギュメレイアウトスタジオ

ryo-002—202 series of cutlery “ryo”
metal works: tasan-kinzoku, supervision + finish: yuuichi takemata, design: osamu saruyama, production: yuuichi takemata+guillemets layout studio

「カトラリーの快楽」
 ひとが一貫して持ち続ける欲求の最たるものは食べることではないか。日々他の生命を頂くことでそれを自らの一部とし、私たちは保たれている。食べなくては生きられないこのどうしようもない弱さを、楽しむことで強さに変えようとしてきた。知恵を総動員し工夫を凝らし、世界中に幾千の料理を生み出した。そして楽しむことは料理そのものの探求にとどまらず、食卓における道具にまで広く及ぶことになる。何を食べるかだけでは料理の味は完成しない。どう食べるかもまた重要である。使う道具は料理の味を大きく左右する。手に持ち口へ運ぶ道具と器を日本と西洋とで比較すると、関係性が対角線上に浮かび上がる。日本の箸は一度の食事で大抵同じものを使うが、代わりに形や大きさ、素材もさまざまな器をいくつも並べることが珍しくない。最も適した料理と器がそれぞれ取り合わされる。これに対応するかのように、西洋の器は多少の形や大きさの違いはあれど磁器の皿が中心となり、ボウル等を加えても極限られるが、カトラリーの種類は幅広く豊富である。ナイフやフォーク、スプーンが料理によって選ばれ組み合わされ、用途を細かく与えられている。日本の箸と西洋の器は全く違う役割を持ちながら、万能という点で一致している。万能のよさを実感しながら、しかしひとは使い分ける楽しみを忘れはしない。器と築いた親しい関係をあらためてカトラリーともはじめてみたい。
 例えば、焼かれた肉をフォークで刺すとき、こんがりとした香ばしさをその表面のかたさによって想像する。フィッシュナイフで魚をほぐすとき、ふわりとやわらかな食感を先取りしている。スープにポタージュスプーンをゆっくり沈め、すくいあげた複雑な香りにどんな味かと気がはやる。バターナイフでバターを切り分ければその厚みでミルクの濃厚さをひとあし先に味わい、バタースプレッダーをパンの上に滑らせればバターのなめらかさにとろけそうになる。ケーキスプーンでキャラメルの薄い膜をそっと壊したなら、パリッと聞こえる音にほろ苦さと甘さを交互に連想する。料理を口に含みおいしさがやってくるその前に、テーブルから口までのつかの間に、カトラリーを実際に使うことでしか味わい尽くせない魅力を五感で堪能する。視覚的なうつくしさにはじまり使うこと自体を楽しむとき、そこにはおいしい予感が満ちてきて期待が呼びよせられ、最後は舌で感じるおいしさをきっと増幅している。
 ひとが宿命的に抱えることになった欲求と、それを精一杯楽しむことを選んだ能動的な振る舞い。その両方こそがカトラリーの源である。おいしく食べることの快楽へと私たちを導き、使うこと自体にもまた快楽が潜んでいることをカトラリーは教えてくれる。
――山本千夏

こちらから購入頂けます。
https://guillemets.thebase.in

「服部植物研究所の藤棚」@宮崎
施工:忠建 デザイン:猿山修 施主:服部植物研究所

“pergola” @miyazaki
construction: chuken, design: osamu saruyama, client: hattori botanical laboratory

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「BAR」
製造:フレスコ デザイン:猿山修 制作:東屋

AZFR00001–00011 series of glasses “bar”
glass works: fresco, design: osamu saruyama, production: azmaya