ファンデーションは、土台、基礎、根拠といった意味を持つ。物事の始まりを思わせるこの言葉からは、同時に、環を描くようにしてまた戻ってくる最終地点までをも連想させ、そのイメージは土へと繋がる。全ては土から生まれ、土に帰っていく。着る人が根を張ってすっくと立っていられ、何度でも手に取り、着る人の礎となるようなシンプルなコレクションを作りたいと思った。下着か洋服か、部屋の内外、カジュアルかフォーマルかといった境界線を超え、今の私はこれで恥ずかしくないだろうかなどと考える必要もなく、肌には気持ちよさだけを感じ、身体は自由で、心は柔らかくいられるようなものを。結局のところ、人が最も美しく見える瞬間は、今何を着ているかなんて忘れて、その人らしく自然体でいる時だと素直に思う。忘れるためには、逆説的に、徹底的に考える必要がある。それがunefig.の一貫したテーマであり、六つ目のコレクションはそのひとつの答えでもある。
コレクションは六つのアイテム、土を思わせるブラウン、ベージュ、ブラックを中心とした色展開で構成されます。Long v dressは、深めに開いた胸元が特徴で、裾に向かって豊かに広がるゆったりめのシルエット。袖は一般的なノースリーブより少しだけ幅を出し、特に後ろから見た時の腕のラインがきれいに収るよう工夫しました。Long vestは、発売以来ご好評いただいているGownの袖を除いた形。Long v dressやMesh topともぴったりです。羽織るだけで縦方向が強調され、すっきりとした印象に。Unisex long pantsは新色のブラウンを加え、XSからLまでと様々な体型の方にご着用いただけるサイズへと発展させました。合わせるものや季節を問わない万能の一着。全てやや厚手のしっかりとしたシルク100%の生地で、光沢は控えめです。Mesh topは、大胆に見えるかもしれませんが、一枚あると着こなしの幅が大きく広がります。既出のブラやタンクトップと重ねてお楽しみください。こちらもシルク100%で、繊細ながら意外に丈夫。現在あるだけで終わりの貴重な生地です。そして、初めてニットにも取り組みました。スリーシーズン活躍しそうなV-neck knitはホールガーメントで極力装飾を排しました。カシミヤとシルク50%ずつの混紡で、軽やかで柔らかく、極上の肌触りです。フリーサイズのラインからはリラックスした雰囲気を、首からデコルテ、肩へと流れるVネックからは少しのフェミニンさを。とっておきのバングルは、漆工の杉田明彦さんとのコラボレーションです。麻布を躯体とし、漆を塗り重ねて形作る乾漆と呼ばれる技法が用いられています。腕に沿う形を求め、微調整を繰り返しました。複雑な漆の表情は見飽きることがなく、コーディネイトに力強さと奥行きを与えます。
展示会では、サンプルをご覧いただき、6thコレクションのご注文を承ります。既出コレクションの販売もいたします。試着もお気軽にどうぞ。
また、青山 スパイラル1F Showcaseでの展覧会も引き続き開催しています。
LiniE × unefig. exhibition
” in her room ”
2024.6.7(Fri.)ー13(Thu.)
11:00-19:00