花生:上野雄次 yuji ueno
撮影:高木康行 yasuyuki takaki
「白磁一葉挿し」
製造:白岳窯 デザイン:猿山修 制作:東屋
“ceramic small vase”
ceramic works: shiratake-gama, design: osamu saruyama, production: azmaya
■講座|工芸と私83|猿山修+平松麻|絵と酒
日時|4月2日(水)18時半-20時|開場18時
会場|青花室
東京都新宿区矢来町71 新潮社倉庫内(神楽坂)
定員|30名
*下記青花ショップよりチケットをお求めください。
https://store.kogei-seika.jp/products/lecture-kogei-83
内容|作り手、売り手、使い手の方々と、「工芸」のことを考えるシリーズです。今回は、以下の展観を機に、猿山修さんと、画家の平松麻さんの対談をおこないます。
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■展覧会|猿山修|居酒:古器と書画
□2025年3月25日-4月4日|青花室(神楽坂)
猿山さんから|
「居酒──いざけ」。今晩もまたここにやってきた。「熱燗二合、もう一つお願いします」。くつろいだ人々が集まる心地の好い場所で、幸せな一杯を頂く。「小肌酢も、お願いします」「あ、卵焼きも」。いつ何を注文するか、でその人の何かがわかる気がする(それが何かはわからない)。
「小皿に豆が三粒だなんて、可愛らしい」「この品書き好いですね。どなたが書かれたのですか?」。味もさることながら、器や盛り付け、内装のちょっとしたことに心がとまると楽しい。
「今日も美味しく頂きました、また来ますね」「ここ、好いでしょう? またご一緒しましょう。気を付けて、おやみなさい」。そんな話が出来たらいいなと思います。
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平松さんから|
墨を磨る時間は何にも代えがたいものです。墨をふくんだ筆を真白な紙に下ろす瞬間もしかり。それから始まる線の流れに猿山さんの時間を観ます。
書画「まるぼし」に描かれた一尾の魚に、胴から尾にかけては干されたようすを、海を反射するような目玉とまるで喋りだしそうな下顎の線には活きた趣を感じました。──尾に流れるふたつの時間。
ちいさな赤い落款印がクコの実のようで、つい箸の先でつまみたくなりました。猿山さんの選ぶ器に酒をとくとく注ぎつつ、なんだか「まるぼし」の線を噛んでみたい気分です。
講師|猿山修 SARUYAMA Osamu
1966年生れ。ギュメレイアウトスタジオ主宰。グラフィック、プロダクト及び空間デザインを広く手掛ける。窯元等へのデザイン提供、陶工、金工等の作家との共作も多数。演劇、映像及び展覧会のための作曲・演奏活動も行なう。
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講師|平松麻 HIRAMATSU Asa
1982年生れ。油彩画家。「雲」を主なモチーフとして自身に内在する景色を描く。
http://www.asahiramatsu.com/
■展覧会|猿山修|居酒:古器と書画
会期|2025年3月25日(火)-4月4日(金)
*予約不要、ただし3月25・26日は青花会員のみ(会員証ご提示ください)
休廊|3月31日
時間|12-18時
会場|青花室
東京都新宿区矢来町71 新潮社倉庫内(神楽坂)
https://www.kogei-seika.jp/gallery/seika/202503.html
居酒致し候――猿山修
酒を愉しむ時間を、一体どのくらい過ごしてきただろう。気の置けない仲間と、緊張を伴う先輩と、恋人と、独りでも、そして娘とも。押しかけた友人の部屋や押しかけられた狭いアパートで、夕暮れ時の仕事場、下町の赤提灯、山中の出湯、真夏の島の砂浜、外国の食堂でも、沢山の居酒をしてきた。
江戸時代中期、量り売りが基本の酒屋の店先で、升酒を飲ませる「角打ち」が繁盛し始める。「酒屋に居続けながら飲む」客がなかなか帰らない様子から、「居酒」を飲ませる酒屋のことを「居酒屋(いざけや)」と呼ぶようになった。こうして「居酒」の呼び名が一般化し、日本の居酒屋文化の基礎が出来上がったのだという。自分の人生と重なって見えることはいうまでもない。
この度は、「新潮社倉庫」にて居酒いたします。皆様との乾杯を楽しみにお待ちしています。
display tokyo と共同で制作したメンズのロングパンツです。ウエストにはタックが入っており、腰やヒップ周りはゆったりとした作りです。太ももから裾にかけてはややテーパードしており、スニーカーはもちろん、ブーツやサンダルにもよく合います。ごわつきのない、中くらいの厚さの柔らかな生地で、四季を通して活躍します。Tシャツでカジュアルに、シャツとジャケットで少しきちんとした印象に、と場面を選ばずご着用いただけます。ベルトループ付き。猿山の理想を形にしていただきました。流行を越え、末長くご愛用いただける永遠の定番です。
・サイズ M
ウエスト 85cm 股上 28cm 股下 73cm わたり幅 38cm 裾幅 24cm
・サイズ L
ウエスト 89cm 股上 29cm 股下 76cm わたり幅 39cm 裾幅 25cm
cotton 100%
color: black
made in Japan
¥33,000
*洗濯により、着丈・身幅約 2 cm収縮。
By washing, length and width approximately 2 cm, it shrinks.
ディレクション:猿山修 デザイン・制作:display tokyo
direction: osamu saruyama, design and production: display tokyo
下記ギュメ・オンライン・ショップにて販売いたします。
https://guillemets.thebase.in/items/77659727
https://www.instagram.com/reel/DCqvdTsTpwx/?utm_source=ig_web_button_share_sheet&igsh=ZDNlZDc0MzIxNw==
稲田麻衣さんの作業を記録した動画です。糸染め、織り、刺繍の様子をご覧頂けます。撮影・編集は猿山修が担当しました。
会期は明日11月23日(土)17時までとなります。紅葉の深まる川越の散策も兼ねてどうぞいらしてください。
【稲田麻衣展オンラインストア】
https://utsuwanoteshop.stores.jp/
販売期間:11/23(土)23時まで
【稲田麻衣展 織と刺繍「糸の光」】
2024年11月16日(土)~23日(土)
11:00~18:00 最終日は17時迄
ギャラリーうつわノート
埼玉県川越市小仙波町1-7-6
【略歴】
@_maiinada_
1991年神奈川県生まれ、東京育ち
2014年 女子美術大学工芸学科工芸専攻卒業
2014年 リボン・レースメーカーに勤務
2017年 エコールルサージュ・パリ修了
2021年 手織り・手刺繍作家 として活動を開始
【解説】
雨の音、波紋、山脈、石、光の陰影。織りと刺繍の作家 稲田麻衣さんが自作に籠めた抽象パターンのイメージです。北欧製の織機を使ってまるで音符を読むように複雑なパターンをひと織りひと織り重ねていく。手元に張った布にひと刺しひと刺し針を通していく。自然の景色に触発され、糸を綾なす稲田さんの姿はまるで祈りを捧げるように見えます。ゆっくり時間をかけて歩く景色と、車で通り過ぎる景色が違って見えるように、ひとつひとつに時間をかけた布には人の温もりと奥行を感じます。産業革命以前の人の手による織物や刺繍は、労力と思いの蓄積であったことでしょう。それは作る人の魂を宿した物でもあったはずです。織物や刺繍の歴史を振り返ると人々が込めた信仰の深さや多様性に驚かされます。稲田さんは高校から大学まで美術系学校で工芸を専攻し、織物の基礎を学んできました。大学卒業後はリボンとレースのメーカーに勤務、その後フランスの刺繍の技術を守り続ける職人学校(エコールルサージュ・パリ)に留学し、オートクチュール刺繍を学びました。さらに渡仏中はファームステイ先で織り機を借りて、暮らしに根差す現地の織り方も修得しました。現在は東京のアトリエで、天然植物による糸染め、フィンランド製の織機を使った織物、手縫いの刺繍を手掛け、インテリアに沿うテーブルセンター、ラグ、クッション、壁掛け、ソファーカバーなどを制作しています。手作業によって豊かな模様を生み出す稲田さんの仕事を見ると、織物が積み上げてきた歴史の重さを感じるのです。時間を惜しまず、手塩にかけて作られた布は、それを使う人の人生に大きな意味をもたらすことでしょう。今展は稲田さんのメインワークとなるインテリア向きのアイテムをはじめ、額装した繊細なアートワーク作品、そして茶道具を入れる袋も新たに製作しました。冬に向かう季節に手仕事から生まれる温かみと共に、祈りの籠った作品にどうぞ触れてください。店主