「なんでもない、なんでもある」 赤木明登×渡辺遼×猿山修 と「暮らしにデザインを持って帰る」展 —猿山修の器、グラス、カトラリーから照明まで—

今週末から始まる二つの展覧会をご案内致します。
ひとつ目は、
「なんでもない、なんでもある」  赤木明登×渡辺遼×猿山修
2012年5月26日(土)-6月10日(日) 11:00- 17:00 会期中無休
赤木氏、猿山氏在廊日:5/26 渡辺氏在廊日:6/3・10
 
漆なのか鉄なのか、古いものか現在のものか、自然によるか意図によるか、そうなったのかそうしたのか。
いつ、だれが、どうして、何のために。あらゆる境は曖昧に。
2010年、Gallery Yamamotoにて催された「襤褸板・とあるかけら−赤木明登×渡辺遼−」展。
その発展形として、さらに猿山修氏を迎え、オブジェであり道具であるような、それぞれのうつくしいものが提示されます。
一部、赤木明登氏のぬりものの器も出品されます。
どうぞお出掛け下さい。
 
於 Gallery Yamamoto
栃木県下都賀郡野木町南赤塚786-2
Tel 0280-56-2444
Fax 0280-55-2002
http://gyamamoto.exblog.jp/
 

ふたつ目は、

「暮らしにデザインを持って帰る」展 —猿山修の器、グラス、カトラリーから照明まで—
2012年05月25日(金)〜06月04日(月) 祝・日定休 10:00- 19:00
 
デザイナー猿山修はものを作りはしない。
作家や職人、制作会社といっしょになって、思い描いたものを形にする。
その形は機能に最小限のデザインを施したようにシンプルで、それでいて細部に効いた装飾性がたのしい。
ひとたび家に持って帰れば、すっかり生活にとけ込んで、ずっと前からそこにいたような顔をして、皆さんの家の定番となることだろう。
 
於 (有)叶多プランニング内
札幌市中央区大通西5丁目大五ビル6F
tel:011-219-3988 fax:011-219-3989
http://www.kanata.in/7451

猿赤 四ツ碗

本日より東京南青山にて「猿赤四ツ碗」展示販売を行ないます。
踊る人 -赤木明登-
少し前、‘アフォーダンス’という言葉を知った。20世紀、アメリカの心理学者ジェームズ・ギブソンの造語である。‘アフォーダンス’(affordance)とは環境が動物に提供するもの。身の回りに潜む「意味」であり行為の「資源」となるもの。
例えば、地面の表面はその水平さ、平坦さや十分な広がりによって、(動物の身体を)支えることをアフォード(afford-与える、提供する)する。それを私たちは土台、地面、床などとよび、それらは動物にとっては身体を「支持する」、その上を「移動する」などのアフォーダンスがあるというわけ、らしい。
この言葉を教えてくれたのは、ひょっとこ踊りの好きな塗師である。そしてこの概念は、自然によって与えられ、作り手が器を作り、使い手が手にするという一連の行為を私に思い起こさせた。自然はその性質によって、作り手に器を作ることをアフォードする。そして今度は、作り手の用意した、質感、形状、機能等といったアフォーダンスによって、受け手はまんまとその器を手にしてしまう。その関係性はちょうど入れ子の椀のようになっている。同時に、その椀が組み合わせや使い方次第で、幾通りもの可能性があるように、自然、作り手、器、受け手の関係性は相互に作用し、それぞれにとっての環境と影響はいつでも入れ替わり可能である。
自然や器といった環境から、私たちは次々に与えられ、やり取りをし、共に変化する。いつの間にか境は消失し、ひどいかぶれを経て漆が塗師の体の一部となり生き続けるように、この器は私の一部となるだろう。
奏でる人 -猿山修-
ヴィオラ・ダ・ガンバという、何かの呪文のような名前の古楽器がある。外観はよく似ているが、ヴァイオリン属とは系統の異なる弦楽器である。主に16~18世紀のヨーロッパで、室内楽や教会音楽に用いられたが、演奏形態が変化し、その規模も大きくなると、音量の小さいこの楽器は、その後一旦廃れてしまう。音楽が生活に密着していればしているほど、その様式の変化に影響されるのだろう。しかし、19世紀末からの古楽復興運動などにより、再び演奏され始める。全盛だったその時と、再発見されてからの今日と、この楽器の魅力は変わったのだろうか。
その人は、とても嬉しそうにその楽器に触れる。それから、音を選んでメロディーを重ね、ひとつの曲を作る。昔からある楽器で、ずっと変わらないドレミの音階を使って、初めて奏でられる音の連なり。初めて聴く新鮮さと、前から知っているような懐かしさのようなものが同居する。全てはずっとずっと昔からあり、その人はただ偶然に出会い、今心地良いと思うものを選ぶ。偶然が必然に変わる。きっとそんな風にして、このお椀も作られた。その人は言う、雄弁ではないし、素っ気ないけれど、何だかちょうどよくて美しいと。ヴィオラ・ダ・ガンバへの最高の褒め言葉。そしてこのお椀にも、何のてらいもなく同じ言葉が言えるだろう。結局好きで、いつも当たり前のように同じ曲を聴く。同じなのにいつも違う。
そんな音楽のようなお椀を私は手離すことが出来ない。
―山本千夏(Gallery Yamamoto)
会場/東青山(ひがしあおやま)
キチンと作られた日用品を
少しずつ選んで並べています。
お直しも承ります。
お運びください。
〒107-0062
東京都港区南青山6-1-6 パレス青山1階
03-3400-5525
welcome@higashiaoyama.jp
http://www.higashiaoyama.jp/
銀座線、半蔵門線、千代田線の表参道駅 A5 出口から徒歩約7分
月、火 休み 正午〜午後8時

『猿山修デザイン』展、『猿山修のプロダクトの仕事』- "design works by Osamu Saruyama", Osamu Saruyama "works of products"

私がデザイナーとして関わった、食器を中心とした展覧会が、三月末から下記の二つの場所にて開催されます。
a3poster
『猿山修デザイン』展
MANOS GARDEN
733-0037広島市西区西観音町11-7-2F
TEL 082-294-5660
http://www.h4.dion.ne.jp/~manos
会期 2010年3月27日 (土)- 4月3日 (土)
開廊時間 11:00- 18:00 ただし、最終日は16:00迄
猿山修の在廊日 3月27日 (土)
yamahon
『猿山修のプロダクトの仕事』
gallery yamahon
518-1325 三重県伊賀市丸柱1650
tel/fax 0595-44-1911
http://www.gallery-yamahon.com
会期 2010年3月27日 (土)- 4月18日 (日)
会期中休廊日 火曜日
開廊時間 11:00- 17:30
猿山修の在廊日 3月28日 (日)
1994年に「さる山」は西荻窪にて自分の世界観を表現する場として古道具を始める。元々、音楽、グラフィック、美術、古道具などの様々なモノに関心を持ち、カテゴリーにこだわることなく活動をし、2000年には、元麻布に移転し、猿山修の古道具の選択と独自の空間が話題を呼ぶ。僕が猿山さんと出会ったのもちょうどその頃。猿山修の仕事は多岐にわたり、グラフィックデザイナーとして独自の平面構成を作り、プロダクトデザイナーとしては大きな制作会社に図面を渡すだけということはなく、少量だが自身が作り手の技術や感性を認めた個人作家(陶芸、金属の作家等)と共同で制作していくというスタンスをとっている。
また「さる山」では年に数回個人作家の展覧会を開催し、作家の作品発表としての空間提供し、モノと空間の関係性を演出し、現代作家にも影響を与える。
また音楽活動も継続されコントラバス、ヴィオラダガンバの演奏家として、演劇・映像・舞踊音楽の担当と、あらゆる角度からの受けた感覚が猿山修の感性を磨き、器等や空間へと形として変換されていく。
本展では「猿山修の仕事ーproduct」展と題しまして、猿山修のデザインした陶磁器や木製、金属品と生活道具を中心としたプロダクトの仕事を約150点ご覧頂けます。
また古陶磁器、グラフィックの仕事も一部ですが、合わせて展示致します。どうぞご覧下さい。また今展は一部を除き、受注販売となりますのでご了承ください。
Lunchのお知らせ
本展会期中の週末の土、日曜日のみ昼食をご用意しております。ご予約も承っております。お気軽にお電話又はメールにて御予約くださいませ。また数量に限りがありますのでご了承下さい。詳細や予約状況はホームページで御覧頂けます。
3月23日(火)〜 3月26日(金)迄は展示替えのため休廊とさせて頂きます。
4月19日(火)〜 4月23日(金)迄は展示替えのため休廊とさせて頂きます。
次回の展覧会 4月24日(月)〜 5月16日(日)「望月通陽 鉄の仕事」展
皆様の御来場お待ちしております。
Information from ‘SARUYAMA’
There are some products, I designed, which I collaborated producing together directly with some craftsmen. Those are such old things I introduce at “saruyama” as if to be quietly appealing.
They have forms I feel to retain preciously. I selected freely and kept creating them “with who and how” as with the intention of making suggestion in my own space.
Here I have exhibitions in March, mainly focused on the table ware.
“design works by Osamu Saruyama”
March 27(sat)- April 3(sat), 2010
Open 11am- 6pm
at “MANOS GARDEN”
2F 11-7 Nishikannon
Nishi Hiroshima 733-0037 JAPAN
Phone 81(0) 82 294 5660
http://www.h4.dion.ne.jp/~manos
+
Osamu Saruyama “works of products”
March 27(sat)- April 18(sun), 2010
Open 11am- 5.30pm
Closed on Tuesdays
at “gallery yamahon”
1650 Marubasira Iga Mie 518-1325 Japan
Phone 81(0)595-44-1911
http://www.gallery-yamahon.com
Please come see.