山の道具、森の道具」展@Gallery Yamamoto

猿山は10月3日から始まる「山の道具、森の道具」展に参加します。
15.mountain.omote
なぜ登るのか、そこに山があるからだ。
1923年、登山家ジョージ・マロリーがニューヨーク・タイムス紙のインタビューで「なぜエベレストに登るのか」と問われ、「Because it is there」と答えたという有名な一節です。ここでの「it」はもちろん「エベレスト」を指しますが、猿山登山部において「it」は「山小屋の温泉」であり、「美味しいごはんとお酒」であるわけです。
こんな風にいうと、たいそう楽な登山をしていると思われるかもしれませんが、そこは猿山登山部。猿山隊長は険しい道がお好きなようで。記念すべき第一回目の猿山登山部は秋口の栃木・那須でした。紅葉がきれいだったことはよく思い出せません。台風がきていました。馬の背と呼ばれる風の通り道、両脇に木はなく、あるのは崖。風は吹き荒れ、話し声は聞こえない、ひとりでは歩けない。だって本当に吹き飛ばされますから。皆、軽く命の危機を感じました。活き活きしていたのは猿山隊長ひとりです。
続く第二回目は梅雨の福島、安達太良山。有難いことに当日は曇り時々晴れ。しかし忘れてはいけません、前日にはたくさんの雨が降ったことを。山道の途中にある沢は増水し、勢いよく流れていました。普段は橋として使われているらしき倒木は水の中です。岩が所々顔を出しています。どの岩なら体重を掛けても大丈夫か、滑らないかを確かめながら渡っていくしかありません。風雲たけし城を思い出したのは私だけでしょうか。
第三回目は再び栃木へ。一日目に岩山、二日目には雨巻山という、タイプの違う山を満喫する計画です。omoto家と古橋家の犬たちも初めて同行しました。「猿」山隊長に加え、犬がきて、あとはきじ。きじは今も募集しています。岩山ですっかり筋肉痛になり、翌日は歩くだけでも足に強い痛みが走ります。こんな時は、あとどのくらい歩かなければならないのかは考えてはいけません。一歩一歩、積み重ねるだけです。そうすると、絶対無理だと思ったところへいつの間にか辿り着くのです。これは人生そのものだと、悟ったような気になったのは私だけではないはずです。
毎回、何かしら困難に遭遇しますが、皆で助け合い、それぞれが心の中で「もうすぐ温泉」「もうすぐごはん」「もうすぐお酒」と唱え、乗り越えます。ですが、何もそれしか考えていないわけではありません。
他に何を考えているかといえば、こんな道具があったらいいよね、便利なだけでなく美しい道具がほしいよね、ということ。いつだって、山登りの最中だって、本当に気に入ったものを身につけたり使ったりしたいのです。
というわけで、猿山登山部メンバーの皆さんに、登山やキャンプ、ハイキング等のアウトドアで活躍する道具を作ったり選んだりして頂くことにしました。よくばりに、アウトドアでの使用に適した機能を備えながら、台所や食卓、普段の暮らしにも使えるものを、とお願いしました。
一部、猿山デザイン/登山部オリジナルの製品も登場します。
どうぞお出かけください。
—山本千夏
omoto
鉄—登山ナイフ、小さめの刃物いろいろ
布—風呂敷、ポーチ、衣類等
古橋治人
木製のカップ、匙、ボード等
猿山修
アウトドアに持って行ったら楽しそうな古物他
2015年10月3日 (土)— 11日 (日)
11 am—5 pm
会期中無休
作家在廊日 10月3日 (土)
Gallery Yamamoto
栃木県下都賀郡
野木町南赤塚786-2
Tel 0280-56-2444
Fax 0280-55-2002
http://gyamamoto.exblog.jp/

「美しいテーブル 辻野剛+猿山修」展

先日の fresco 主宰の辻野剛さんの店、RICORDO(リカルド)にて展覧会に続き、彼と共に札幌 oteshio にて展覧会を行ないます。
14.oteshio.1.omote
2014年11月28日(金)〜12月4日(木)
open11am〜7pm   会期中無休
11月28日は、辻野氏、猿山氏共に在店
会場
oteshio
060-0061
北海道札幌市中央区南一条西六丁目
第二三谷ビル三階
011-271-9577
http://www16.ocn.ne.jp/~oteshio/index.html
ガラス作家 辻野剛氏のグラスと、デザイナー 猿山修氏のテーブルウェア、グラス、音楽CDなどを紹介します。密度の高い物作りをご覧いただけます。
ぜひ足をお運びくださいませ。